昭和36年のこと、奈良の唐招提寺を訪ねた蘆村節(jié)子は、その芳名帳に、大戦中に外交官であった亡き叔父?野上顕一郎に相似した筆跡を発見する。名前は違っていたが、懐かしさを覚えた節(jié)子は、夫の亮一や野上未亡人?孝子にこの件を話す。彼らは野上顕一郎の死亡は確認(rèn)されているとして取り合わなかったが、孝子の娘?久美子のボーイフレンドである添田彰一は、野上顕一郎の死亡前後の事情を調(diào)べてみようと試みる。しかし、當(dāng)時(shí)の関係者は一様に冷淡な反応を示し、村尾課長(zhǎng)は「ウィンストン?チャーチルに訊け」との謎めいた言葉で添田を煙に巻く。