大坂城は今日も落陽に美しく映えていた。しかし、城と運(yùn)命をともにする當(dāng)主秀頼や淀君らは、もはや昔の夢を追うことはできなかった。徳川秀忠は豊臣家への圧力を強(qiáng)化してきたのだ。京都方広寺の大仏開眼供養(yǎng)の儀式は、両家を相爭うべき宿命の谷に追いこんだ。--関ケ原の戦いで一家を失った無法者、鬼の茂兵衛(wèi)が大坂にやってきた。彼は動亂まで利用しようとする大坂商人の根性に腹が立った。茂兵衛(wèi)は乳兄弟の隼人と連れの女阿伊を逃がすために山伏に捕えられ、橋に宙吊りにきれた。霧隠才蔵と名のる忍者が彼を救った。才蔵が茂兵衛(wèi)の綱を切り落すと、小舟に乗った阿伊が救い上げた。小舟が行きついた先は、秀吉に大恩を受けた豪商、伊丹屋道幾の密室だった。やがて茂兵衛(wèi)は、阿伊の案內(nèi)で加藤肥後守清正の娘、小笛と會った。小笛は、千姫を奪うことを茂兵衛(wèi)に命じた。千姫を奪うこと以外に両家の爭いをさける方法はな... (展開全部)
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