「この女、俺と、死んでもらう」。黒のプレジデント?ソブリン、車體と同じ色のドライビング?グローブを嵌めたフジナガは、降車して去っていく女性客の後ろ姿を、じっと見つめていた。 忌まわしい出來事によって絶望の淵に落とされ狂気にとりつかれた、このタクシー?ドライバーの唯一の望みは、最高の生贄と呼ぶにふさわしい女を殺し、自分もこの世界から消えてしまうことだった。 そんなある夜、フジナガはとうとう“生贄"を発見する。 密かに彼女をつけ回し、住所を突き止めたフジナガ。 狂気の計畫はついに実行の時を迎える―かに思われたが…。