本作の主人公は中學2年生の奈良希穂。中學に入ってからずっと一人暮らしをしている。優(yōu)しかった父は死に、母は姿を消した。怒ることも泣くこともなく、毎日野菜ジュースとプリンだけを口にし、それでも人間はなかなか死なないものだと思いながら日々を無為に過ごす希穂。ある日、彼女がいつものように登校すると「本日は、祝日につき、休校」という看板が正門に出されていた。一度は學校に背を向けた希穂だが、何かに突き動かされるように校舎の屋上へ向かう。そして眼下のアスファルトへ一歩踏み出そうとした瞬間、誰かが手をつかんだ。それは“希穂とずっと一緒にいた”と言い張る自稱天使だった。やがて、いつもの街での數(shù)奇な出會いが希穂の心を少しずつ揺り動かし、何も感じなかった世界は「最期の一日」を生きることで変わっていく。
上一篇:行攜杖扶力,臥讀書取睡