慶長五年九月、関ヶ原の合戦で西軍豊臣方は慘敗に終った。作州宮本生れの郷士の伜、新免武蔵と本位田又八は野望を抱いて西軍に加わったが傷ついて、もぐさ家のお甲とその養(yǎng)女朱実に救われた。この母娘は戦場荒しを稼業(yè)とする盜賊だった。ある日、お甲の家を野武士辻風(fēng)典馬の一隊が襲った。武蔵は典馬を毆殺し、又八は手下を追いちらした。そんな二人にお甲の誘惑の手がのびた。又八は許嫁お通を忘れお甲とともに姿を消した。宮本村に向った武蔵に、豊臣方殘黨詮議が厳しく、武蔵は人殺しを重ねつつ、故郷に向かった。武蔵召捕りのため姫路役人青木丹左衛(wèi)門が村の七寶寺を本陣として采配を振っていた。その頃、お通のもとに又八からの縁切狀が屆いた。又八の母お杉婆と権六叔父は、又八の出奔を武蔵のせいにして武蔵を恨んでいた。七寶寺には沢庵坊主が居候していた。農(nóng)繁期の盛りに百姓達(dá)は武蔵召捕りのためにかりださ... (展開全部)