南氏は小さな鉄工會社の青壯社長である。ある夜、見知らぬ若い娘から「私を一萬円で買って」とささやかれた。が、娘はあまりにあどけない。十九才だと。名をはるみという。南氏は驚いた。彼の末娘と同じ名だったから。彼女の父は戦死し、母が病気で、その治療費をどうしても手に入れようと、はじめて男に話しかけたのだといった。南氏は、はるみに一萬円を渡した。君に無期限で貸そう。家に帰ると、南氏の妹広子が夫婦喧嘩の挙句やってきていた。夫の內(nèi)田が十九才の愛人をつくったからだという。
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